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明智光秀/摩亜 [◆戦国]

観ましたよ、「明智光秀~神に愛されなかった男~」。
(私的に)村上弘明さんには敵わなかったけれど、唐沢寿明さんの光秀もなかなか良かったです。堅苦しくて演算が得意で、融通も利かないわ裏工作も出来ないわの四角四面な光秀をよく現していたと思います。
惜しむらくは、疱瘡のエピソードも削られた上役者が全く合ってなかった煕子様と、カリスマの足りない織田信長と、重要な所で出番の無かった家康と全く出番の無かった細川親子と斎藤利三、その他削られまくったもろもろの将と、削られまくった謀反に繋がるエピソードの数々(特に母親見殺し)と、秀吉と蜜月過ぎる変な新解釈の展開と、そこから繋がるアレレな山崎の合戦(?)、あまりに多すぎて興趣を殺いだCMが……。
……って、どう考えても悪い所の方が多過ぎ。
制作発表の時の、期待20%不安80%がモロ的中したって感じでした。
観終わってみれば、期待10%不安90%でも良かったかも。

ともかくですね(――以下、延々不満点)。
疱瘡逸話は差っ引いたとしても、織田信長より十も年上のおじさんの正室に、ついこの前セーラー服と機関銃をやってた娘を持ってくるのはやめて下さい。
煕子様が金切り声で光秀に意見するなんて、想像もしてなかったので悪寒が走りましたよ。あのキンキン声は、もう十代から離れた大人には癇に障るんだと、分かって欲しいものです。例えて言うなら、黒板を爪で引っ掻いた音を強制で聞かされたくらい不快でした。同じシーンだとしても、年相応の女優さんだったらあんなつんざくような不快な声は出さなかっただろうに。
長澤まさみが上手いか下手か以前に、明らかなミスキャストだと思いました。
光秀と煕子様のエピソードを入れたいなら、煕子様の疱瘡を使ったり、過労死寸前・血を吐いて床についた光秀(実話)を看病する煕子様と、辛くも楽しかった過去の話をさせるとか、幾らでも方法はあっただろうに(怒)!
その後の土下座捏造もいかがなものかと思う。
光秀と言えば、「仏の嘘は方便といい、武士の嘘は武略という。思えば百姓は可哀きことなり」と言っちゃうくらい、素直に民を大切にしてたし、朝倉攻めの時は昔の恩義を忘れず、お世話になった地方を庇った人なんですけど(怒)。
物語の主軸も、よく分かりませんでした。
えーと、つまりは光秀物語の名を借りた「秀吉と光秀仲良しさん」の話でいいんでしょうか?
それなら、それこそ『唐崎の松』の話を出すとか、他にもエピソードが有るのに、何で『金ヶ崎の退き口』を家康抜きで出すかなあ。
――で、秀吉と仲良しこよしをさせる為に、斉藤利光や細川親子を無視するなんて、これが光秀主人公の話とは、とてもとても思えません。
織田信長も、単なる敵役としてしか扱われなかったせいか、酷い描きようでした。
信長に魅力が無かったら、幕臣と織田家家臣の二足の草鞋を履いた光秀の苦悩、更に織田家に傾いていく姿なんて描けないだろうに。
明智軍記(これもかなり怪しい書物だが)とか光秀絡みの本とか全く読まずに、太閤記辺りからエピソードを拾ってきて、適当に捏造してみましたみたいな、光秀ファンからすると、まったくもって物足りないつまらない話になってしまってました。
早乙女貢さんの書いた『明智光秀』くらいは読んでくれていたんだろうか。
それから、光秀を際立たせたいなら、信長との対比の方が絶対面白かったと思う。
光秀の造形は、悪くなかったのにね。

まあしかし、フジの正月特別ドラマで光秀の良い部分を取り上げてくれる事には、光秀ヲタとしては感謝しなければいけないのかなあ?

ついでだから、叫ばせてくれ。
三日天下じゃなく、十日天下じゃ!!!!!
本能寺の変が6/2で、山崎の交戦が6/12、光秀が敗れたのは6/13だああああ!!!
posted by 摩亜 at
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