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RED CLIFFを見てきた!/ゆら [◆三国志]

摩亜さんにいただいた前売り券で、公開からかなり遅ればせながら見て参りました。RED CLIFF、赤壁 パートI。
摩亜さんありがとうございまーすv
どこでも公開してるのかと思ったら、字幕公開してる劇場は一カ所だけになっていました…
てことで、金曜日仕事帰りに中讃にあるワーナーマイカルまで車で移動ー。

本編前におそらく日本人向けと思われる三国志の概要解説。ほんとに概要。
曹操は大群を擁していて、孫権と劉備に迫っていますよ、って感じで。他の勢力とか完全無視。
三国志について随分と忘れたことも多いのでどきどきしながらの鑑賞でしたが、さすがにそのくらいは覚えておりました。

そして、本編開始前に見た「字幕:戸田奈津子」に絶句。
英語なんて本編に一句たりとも出てこないのになぜ出しゃばってくる戸田奈津子!!
そういう認識で見ていたからかも知れないですが、字幕の台詞に格調が無いというか、現代劇みたいな調子な字幕でした。
中国語はすこし囓っただけですけど、一時とある清朝の時代劇にはまっていた影響で、北京語での時代がかった言い回しはいくつか覚えているのですが、字幕の語調とは違和感を感じました。全体的に。
吹き替えはどうなんでしょうか、機会が有れば吹き替えを見に行きたいです。

冒頭は許昌、献帝を先に待たせて、後から曹操がやってくるという、力関係を示す場面から。
曹操が歩を進めるたびに鳴る佩玉の音が涼しげで印象的でした。
劉備を討伐することを宣言した後、長坂坡のシーン、孫権との同盟、赤壁へ、という流れです。
メインの赤壁の戦いは後編へもちこしです。
というか、今回の全体が、次の赤壁の戦いのためのプロローグみたいな感じでした。
内容は、ジョンウーの解釈による三国志演義。流れは演義に沿っていますが、人物のオリジナルのサイドストーリーが色々盛り込まれていました。
えーって思う場面もあるにはありましたが、これもこれでありかなと、思います。作品としては面白かったです。
何より合戦シーンはとても見応えがありました。
様々な武将の活躍、また孔明が陣を指揮するのですが、その全景や動きがさすが中国って感じの壮大さでした。

細部の感想を書こうと思ったのですが、内容を確認するために公式サイトをみたらば、突っ込みたいところが色々出てきて、どこから書けばいいのか分からなくなりました。それもまた楽しみの一部なのですが…。

だって、公式サイト、「若き皇帝孫権」とか、「帝国が攻めてくる」とか…。
劉備などは、その帝国のために戦ってるんですけどねえ…。
キャラクター&マップには既に劉備は蜀を擁してるように見えます…。
大概「帝国」って言葉にも違和感を感じます。でも本編中でも漢って言葉が字幕に見えたのは、曹操の紹介の「漢の丞相」ってくらいじゃないでしょうか。

以下ネタばれ含む簡単な感想です。未見の方はご注意願います。




全体として周瑜と諸葛亮が中心となる話のようです。
なんか二人で友情をはぐくんでいて、とても仲良しです。
二人で琴を合奏するシーンがありますが、諸葛亮は「友人が欲しい」、周瑜は「戦う」などと演奏で語り合(?)って意思疎通してます。
素直に周瑜も孔明もかっこよかったです。金城武の孔明はどうかと思ってたけど、うん、これはこれで好きです。金城武って180近い身長があるから実際孔明と近いんだろうけど、周りも高いんでしょう、長身に感じられなかったのが残念と言えば残念。
周瑜も好人物に描かれていて、かつ音に煩いところもエピソードとして盛り込まれ、指揮官としての側面、武将としての側面もきちんと表現されていて、かっこよかったです。

「周瑜」と「孔明」と言えば、作中字幕がすべて姓名でした。孔明だけが字。
台詞ではちゃんと「諸葛亮」とか、「雲長」とか、劉備が張飛に「三弟」って呼びかけてたりしてたんですが、孔明以外は全部姓名で統一。やっぱりなじみのない人にはややこしいのかなー。
孔明は…孔明の方が通りがいいですからね。

今回完全に曹操は悪役ですね。しかもなんだか器が小さいです。
侵攻の真の目的は、小喬を奪うため…だそうですよ。
昔一度会ったのが忘れられないらしく、自ら描いた小喬の姿絵を行軍中も寝所に飾っております。色つきです。
陣中に招いた妓女に小喬と名乗らせて、ごっこ遊びをしています。
既に頭痛を発症してて華佗が侍医のような立場で仕えてるっぽいです。
赤壁の戦いへと準備をさせる傍ら、自分は蹴鞠を鑑賞して喜んでいます。
進軍中は豪華な車に乗って、ふんぞり返ってます。
…こんなの丞相じゃない……。
遊びでももっと風雅を感じさせることをする人だというイメージなんですけど・・・、丞相って。
これじゃただの金持ってる馬鹿なエロオヤジです…。
こんな単純な善悪の戦いにして欲しくなかったな、というのが今回の曹操に対する感想です。これはものすごく残念に思う点。

見せ場が多かったのが趙雲。かっこよかったです。槍の使い方もそうなんですが、何故か足の動きに惹かれてしまいました。敵兵に蹴りいれたりとか。はっきりいって顔は好みじゃないですが、かっこよさは顔じゃないなー、って思いました。
周瑜は小喬とラブラブしてて、懐広くて、人物でした。が、一番美人だったのは周瑜ではなく、孫権だと思います。
葛藤してる孫権はなかなかポイント高いです。
突っ込みたかったのが、やたら徒歩で出てきた関羽と張飛。特に関羽。赤兎はどうした。張飛も徒歩+素手で戦ってるところがあったんですが。力自慢もいいんですけど、ええと…武器くらいは持たせてあげて下さい。

主なつっこみとしまして、長坂坡に孔明と関羽が最初から居たり、後の孫尚香との絡みからか甘夫人まで殺されていたり、同盟結んだ後は劉備達みんなが赤壁に押しかけてたり、赤壁の戦いの前に軽く前哨戦があって、そこで孔明が八卦の陣を敷いて「帝国軍」を手玉に取ったり、戦いのさなか周瑜は趙雲を庇って矢傷を負ったり(そしてどうも矢傷が死亡フラグっぽい)しています。

甘寧をモデルにした甘興ですが、ふと某ラジオドラマの兵士Aが頭をよぎりました。
この人要るのかなぁ。人物の位置関係が既に演義とズレてるんだから、甘寧で出してもよかったんじゃないかと思います。
だいたいそういう人出す余裕があるなら、ホウ統出して欲しいです。
公式サイトにも名前無いからきっと後編でも出ないんでしょうね…ホウ統。
後編でどこまでをやるのでしょうか。
前編をみていても、例えば関羽と曹操が対面するシーンがありますが、その時のやりとりがどういうものなのかは知っている人しか分からないんですよね。やはり中国では常識なので説明する必要はない…んでしょうか。
周瑜と孫権の関係も、サイトにはただ「孫権が兄とも慕う周瑜」なんて紹介されていますが、実際義兄の関係なわけで、他の箇所も含め語弊が随分あるなぁと感じました。中途半端というか。仕方ないのかもしれませんが。

なんだかんだと文句たらたら言っちゃいましたが、既に出ている台湾版DVD(繁体字字幕がついてるから)を購入するかどうか悩んでいる次第です。