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今台湾で起きていること/ゆら [◆台湾]

ちょっとまじめな話。

今台湾で事件が起こっています。
台湾の与党、国民党が中国とのサービス貿易協定の審査通過を強行採決したことにより、学生を中心として大きな抗議が起こりました。

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占拠された立法院正面、中国党(国民党)は台湾を売る、と張り紙されています。
正面の白地に緑の旗は台湾独立派の提案した国旗。入り口奥には盾を構えた警察が立っています。
また、玄関前ではずっと台湾語で演説が行われています。


そして学生たちが立法院(最高立法機関)を占拠し立てこもりました。これが18日夜。
それからずっと彼らは立てこもり、また周辺も賛同する学生、大人たちが詰めかけ座り込みました。
彼らの抗議は大きく二点。
一つ目は馬英九総統が協定の審査通過を強行採決したこと。これは民主政治に反する、と。
二つ目は中国とサービス貿易協定(中国語で服務貿易といいます)を結べば、中国資本が大量に台湾に入ってくる、中小企業の多い台湾は中国資本に対抗することが出来ず多くの失業者を生み、更に結果、経済的に中国に支配されてしまうのではないか(さらにそれが中国に併合されてしまう一段階になるのではないかというおそれ)、と。

立法院を占拠したとはいえ、学生たちの行動は整然として実に平和裏に安全に行われていました。
食べ物や飲み物、毛布や、医療スペース(医者と看護婦駐在)、医療緊急通路の確保も行われていました。
いくつかの拠点(ステージが設置された)総統や与党について批判を行っていました。

そして23日、日曜朝、とうとう馬総統が会見を行いましたが、協定の撤回を求めた民衆に対し、馬総統の会見は、協定がいかに台湾にとって良いものであるかを説き、学生に対してははやく解散するように求めただけでした。また学生の求めた総統との直接対話も拒否したようです。
民衆の要望は協定の撤回と馬総統の辞任です。これでは全く平行線です。
かくして、抗議は続行されることになりました。また、抗議も全国化しつつあります(各地の国民党支部など)。

そして今夜、一部の学生が行政院(最高行政機関)に突入しました。
学生は敵は政治家であって、警察ではない。警察は友人であるというスタンスをとっていました。ところが突入したことでここで警察と衝突が起こり、負傷者が出てしまいました。

ここまでが今日までにあったことです。
いまだに行政院の騒ぎは継続しています。
多くのテレビ局が現場からライブ中継し、生々しい映像が流れ続けています。

台湾は元々日本に比べてデモがものすごく多い国ですが、今回は普段とかなり様相が違っていると感じています。特に行政院突入のあたりは誰かが煽ったか、コントロールを失っている印象を受けました。
なるべく起こっていることだけを述べたつもりですが、多分学生側に偏った見方になっていると思います。
聞けば日本ではあまり報道されていないとのことなので(ネット上では検索すると多く見つけられますが)、知らない人が知ってもらえるきっかけになればと思います。


実は今日の夜の事があるまでは、これに関して別の事を日記にしようと思っていたのですが…。
それはまた機会があれば…。

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立法院側面。こちらは学生が占拠している建物です。学生によって建物に総統を非難して「當獨裁成為事實 革命就是義務(もし独裁が現実のものになったら、革命は義務である)」と書かれました。