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爺、襲来/摩亜 [ ┣刀剣乱舞]

三日月「主よ、ちと話が有るのだが、少し時間をもらえぬか?」
審神者「はい、お爺ちゃん。ご用は何ですか?」
三日月「うむ、聞きたいことがあるのだが……今は、主一人か?」
審神者「誰もいませんよ。お爺ちゃん、お茶飲みますか? わらび餅食べますか?」
三日月「では、いただこうか」
審神者「……お爺ちゃん、ちゃんと噛んで食べてね」
三日月「そこまで年寄りではないぞ」
審神者「自分でじじいって言うから(笑)」











審神者「それで、話は何かな?」
三日月「……その、な……」
審神者「まんばちゃんの事?」
三日月「っ! ぶふぉ!!」
審神者「お爺ちゃん、お茶噴かないで。気管に入ってない?」
三日月「ん、んんん……! あいすまぬ!!」
審神者「名前を出しただけで動揺していたら話にならないよ?」
三日月「……そう、だな」

審神者「改めて聞くけど、まんばちゃんのどんな話かな?」
三日月「……新刃の……」
審神者「うん」
三日月「世話係を主に頼まれたと……」
審神者「ああ、日光さんね」
三日月「まことであったか」
審神者「そりゃあ、まんばちゃんは出陣も無いし、顕現したての男士のお世話は誰よりも慣れているからね」
三日月「だが、同じ刀派の者も居るであろう?」
審神者「一文字一家の顔ぶれを見て、まんばちゃん引き受けてくれたんだけど?」
三日月「し、しかし! そうだ、黒田家の者も居るではないか!」
審神者「ん?」
三日月「黒田の刀であったのだろう? 極めたばかりの日本号は難しいにしても、長谷部も博多もおるだろう?」
審神者「前の主繋がり、か」
三日月「忘れていたのか?」
審神者「てへ☆」
三日月「思い出してくれたのなら、早々に山姥切のの任を解いてはくれぬか?」
審神者「お爺ちゃん、あくまでもこれは仕事なので、途中で交代させたら、まんばちゃんから不審に思われます」
三日月「だが、せっかくの八つ時が……っ!」
審神者「おやつ?」
三日月「……」
審神者「……?」
三日月「あやつから、何も聞いておらぬのか?」
審神者「まんばちゃんは、身持ちも口も固いですよ」
三日月「……」
審神者「さ、お爺ちゃん、吐いちゃいましょうか?」
三日月「は、吐く?!!!」
審神者「まんばちゃんと一緒におやつを食べる約束したの?」
三日月「主よ……」
審神者「はい?」
三日月「あやつには、俺が言ったと教えないで欲しいのだが……」
審神者「おーけーおーけー」
三日月「信じて良いのか?」
審神者「軽く言っているけど、神前の誓いなので大丈夫ですよ」
三日月「そ、そうだな」
審神者「はい、どうぞ?」

三日月「主は先日の『虹の夜光貝』の話を覚えておるか?」
審神者「まんばちゃんがお見舞いのお礼に、イベントアイテムの『虹の夜光貝』をお爺ちゃんにあげたけど、イベントアイテムだからイベント終了と共に消えたって話ね?」
三日月「大騒ぎした翌日、山姥切のが謝りに来てくれてな」
審神者「うん……(約束守ったんだね、まんばちゃん)」
三日月「今度は消えないからと、爪の先ほどの桜貝をくれた///」
審神者「……それは良かったね」
三日月「その時に、双方ともに手すきの時で良いから、一緒に八つ時を過ごして欲しいと頼んだのだ」
審神者「(平安爺さんにしては、ずい分と奥手な……)……うん、それで?」
三日月「カンストしても近侍なので、そんなに暇じゃないと断られた」
審神者「あー…………」
三日月「だが、ここでは引けぬと思い、本当に暇な時だけで良いと懇願したら折れてくれてな……」
審神者「……(……ちょろんば)」
三日月「なんだかんだ言いつつも、二日か三日に一回はともに八つ時を過ごせるようになっていたというに……」
審神者「ルーティーンとして定着する前に、日光さんのお世話が入っちゃったワケか」
三日月「……恨めしいぞ、主」
審神者「まあ、そうだろうなー」
三日月「善処してもらえるのか?」
審神者「まんばちゃんの初期刀として矜持を傷つけるから、今から変更は難しいな」
三日月「……せっかく意を決して言ったのに……」
審神者「日光さんのお世話が終わった後、おやつ友達に戻れるようにするくらいなら、手を貸しましょうか?」
三日月「まことか?!」
審神者「まあ、お爺ちゃんがおやつを誘いに来たら、行ってらっしゃいとまんばちゃんの背中を押すくらいですけどね」
三日月「本当であろうな?」
審神者「神前の誓いだと言ったでしょうが」
三日月「そうだったな」

審神者「代わりにお爺ちゃんも主と約束してくださいな」
三日月「何をだ?」
審神者「まんばちゃんの意に沿わぬ事を無理強いしない、泣かせたり傷付けたりしないって」
三日月「……あい分かった」
審神者「絶対だからね?」
三日月「三日月宗近の名にかけて(キリッ)」
審神者「主の前で無駄に格好付けなくていいから」
三日月「はっはっは、そうか」
審神者「ふう、やれやれ」

審神者「ところでお爺ちゃん」
三日月「何だ?」
審神者「お爺ちゃんはさっきから、まんばちゃんを山姥切と呼んでいるけど、山姥切長義のことは何て呼んでいるのかな?」
三日月「それは山姥切のの本歌なのだから、敬意を込めて『本歌殿』と呼んでいる」
審神者「わー、頭痛が痛い(棒)」
三日月「向こうからは「あなたの本歌になった覚えはない」と返ってくるがな」
審神者「それはそうだ」
三日月「はっはっは」
審神者「まさか、偽物くん呼びの意趣返しじゃないだろうね?」
三日月「さあてな」
審神者「お爺ちゃん、おとなげ無いですよ」
三日月「はて? 責められるのは俺だけなのか?」
審神者「……いやいや、返す言葉が無いけど、まんばちゃんには迷惑かけないようにお願いしますね」
三日月「うむ、肝に銘じておくとしよう」

posted by 摩亜 at