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買っちゃった…/ゆら [◆散財日記]

とうとう手元にやってきました。
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これ!
『満洲語辞典』河内良弘 編著 松香堂書店!!

プレミアム商品券の主な使用目的はこれでした。
税抜き30,000円のところ、25%お得なプレミアム商品券を使えば実質現金3万円分払っても約5,000円分おつりが出るというありがたいプレミアム商品券!
ひゃっほーい嬉しい!

以下なんか語ってしまいましたので、お時間のある方だけ続きをどうぞ…。


『満洲語辞典』、過去にも出版されていましたが、前回出たのは戦時中。77年ぶりの新たな満洲語辞典です。
満洲語というのは、清を建国した満洲族が使っていた言語です。
満洲族というのは元々女真(女直)族という名前でした。その時、金を建国していますが、当時は女真文字という漢字に似た文字を使っていました。
金の滅亡とともに、女真文字は失われ、時代は下って17世紀前後のヌルハチ、その子ホンタイジの時代にモンゴル文字を借用して満洲文字を正式に制定しました。
パッと見、モンゴル文字にすごく似ていますが、文字の左右に「○」、「・」などがくっついていたらそれは満洲文字である可能性が高いです。
ちなみにこんな文字です。
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縦書きですが、左から右に描いていきます。横に単語の対訳をしていますが、見てわかるように語順が日本語と同じなのです。

清の公用文書は漢文と満文(満洲文字)が併記されていることが多いです。ちょうど右から漢文、左から満文、という形になっています。
公用文書では満文が使われているものの、清中期以降は満洲語はだんだん廃れていきます。
最後の皇帝溥儀はわずか数語しか理解しなかったとどこかで読みました。
なんといっても人口から言えば漢語を操る漢民族が絶対的大多数ですから、少数民族の使う言語は話者が少なくなるのも当然です。
とはいえ、現在の北京語の元になった北京官話ですが、彼ら満洲族が東北にいたときに、漢民族と交流するときに用いていた中国語が、北京に持ち込まれて、そこで定着したものです。

話がずれました。
現在は滅びかかっている(ネイティブが僅か、或いはすでに不在)満洲語ですが、文献には多数残っています。
実は数年前から康熙帝や雍正帝に興味を持ち、その流れで満洲語とはどういうものだろうか、と興味がむくむくと湧いてきました。
しかし当時どこで習っていいものかわからず、わずかな関連書籍(安くない!)を買うにとどまっていたのですが、先年台湾滞在の折に、習う機会を得ることができました。まだまだ初歩的なものですが、学習と糸口がつかめたのは大きな収穫です。
そんなおりにこの新しい辞書!

見出しに満洲文字まで!(77年前の辞書はアルファベット表記だけでした)
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満洲文字は一文字一文字をアルファベットに置き換えることが可能ですが、満洲文字は語頭、語中、語尾で文字の形が変わってしまい、また違う文字でも文字の並び方で同じ形をとることがあるので、初心者の私はたびたび読み間違いを起こしていました。なので、アルファベットと満洲語の併記は答え合わせもできてとてもありがたいのです。

近頃満洲族(中国では「満族」)の中で、満洲語学習がみなおされ、習う人も多いと聞きます。
興味をお持ちになった方は一緒に学習してみませんか。
と、へんな勧誘をしつつ、今日のデビルマン。
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そろそろ全身描いてみたい…かっこいいやつ。